2020-4-24
- 未熟者
僕の登山日記です。
(一応、緊急事態宣言前でしたのでご容赦下さい涙)
こんな時期ですので、人との接触は極力避けての山行です。クライマー2名、所沢のコンビニ、小淵沢のコンビニ、登山口駐車場の山小屋スタッフ、北杜市のコンビニの方のみ接触しました。
八ヶ岳は編笠山にゆっくりと写真を撮りにいく予定だった。山小屋A氏にその話を投げると、
ちょうど八ヶ岳の阿弥陀岳に登ろうと思ってたから、一緒に行きましょうとなった。
前回の日光白根にて初めてピッケルを使った登山をして、もっと上手くなりたいと思っていたので非常にありがたい。
さて、阿弥陀岳とはどのレベルかとネットで調べると、いやはや怖いじゃないか…
『阿弥陀岳北陵』
なんて猛々しく、プロ感がすごい呼び方なんだと
夜の12時頃にA氏の家に打ち合わせに行くと、あの有名な小屋番クライマーT氏も同行するという。
T氏はあのK2にも登頂したことがあるアルピニストなのだ。
これは名サポーターが2人もついてすごくありがたいと思う反面、足手纏いにならないよう気を付けなければと思った。
道の駅で3時間程仮眠して、登山口を7時過ぎに出発。
30分程後に出発してきた2人に途中で追いつかれる
荷物が軽量とはいえやはり速い。
登山道は、はじめから氷が張ったようにバリバリツルツルだった。
アイゼン履きたいが2人は履かない。
チクショー!
おれもはかないわん!
緩やかな斜面は気をつければ平気だったが、斜度がついたアイスバーンは流石に登れない
止まってアイゼンを履いているうちに2人は見えなくなった
氷にアイゼンが刺さって安全は確保できたが、前足が浮くため足の筋肉が疲れる
ボチボチ歩いているとA氏がカロリー補給していた。
すでに待たせてしまった…
申し訳ねー
ちんたらと小屋まで登るとT氏が待っていた待ちくたびれた感がでていた
申し訳め〜
取り敢えずザックをおろし、テントを組み立てて阿弥陀岳にとりつく準備をした
2人のもとに行き、阿弥陀岳をみながら話を聞く
この後の流れはこうだ
テント場から少し登り、阿弥陀の尾根にとりつき稜線を行く
そして核心部はハーネスをつけて確保しながらピッケルとアイゼンの前爪を使いながら登る
登頂したら、2人は別ルートで下山。
僕はひとりでテント場に下山❗️
ぐぬぬぬ〜
これは登山じゃない、登壁だろ‼️
そしって、そんなコエーとこからひとりで降れないワン!
太陽に照らされた雪の山がテッカテカに輝いてて、90%滑る予感しかしなかった。
聞くとここは、バリエーションルートといって冬山に慣れた中級者が行くところだという。
Aさんよ〜
なんてとこにオイラを連れてこーとしてんだよ
わてピッケル2回目やで〜
しかも、睡眠不足と疲れが抜けてないのもあり、既にカラダは疲れていた。
素直に、行けないと踏んだ時は下山します!と伝えた
T氏は言う
「つとむさん、山は危ないっスよ。自分も仲間何人も死んでます」
今言うんじゃないよ!
取り敢えずヘルメットを被り、テクテクと登り尾根にとりつく
前をA氏
後ろにつくT氏
どーしてもペースが上がらないため、ちょいちょい歩みを止めてしまう
申し訳ない気持ちになるため
「Tさん先どーぞ…」というと、
結局待つようだからという…
くはーー
Tパイセン鋭えーーーー❗️
言葉痛てーーーー‼️
ピッケルで心臓をぶっ刺されてる思いっす
自分でもわかってるっス
呼吸が上がってきていること
もっと、もっと修行して全集中が持続できるようにならなくちゃ!
床屋の呼吸ではダメだ!
山の呼吸を極めるんだ❗️
鱗滝さーーーん(わかる人にはわかるネタ)
そんな感情を内に秘めながら、なんとなく尾根を登る
もう少しで森林限界を抜けるというところで、周りを見ると白銀の八ヶ岳が一望できた
なんとなくついて行ってる自分
帰りに不安を抱えている自分
行けるとこまでとゴールを定めていない自分
こんな状態でトライするのは危険だと判断し
「ここで撤退致します!」と!
勇気ある決断だった
「行きたいけど、この先は危ないからやめとこう」
の勇気ではなく
「ここで諦めんのかポンコツ野郎が」
のレッテルをはられても生きていくという勇気の決断だ
来た道の尾根は結構硬くアイゼンが刺さりづらかったため、沢沿いに下り小屋まで下降した方が安全だとA氏がいう
言われた通り、ちょっと急な斜面をダガーポジションで下り、斜度が緩くなってからは二足歩行で降って行った。恐怖から逃げて腰も軽くなったのだろう
この日1番楽しかったテントに着き、乾いた喉を大量の水で潤す
片付けもせずマットに転がったら
一瞬で気絶していた…
次につづくぜ❗️
オレだってヤレる!
見せてやるぜマイハート
↓ ↓
ふと目を覚ますと夕方4時
2時ごろに気絶しているはずだから、2時間ほど落ちていたのか
朝からサンドイッチしか食べてないから食事の準備をする
最近のハマり、カップカレーと金のハンバーグだ
白銀の赤岳が赤く染まるのを待っていたが、日が長くなってきて中々染まらない
結局、真っ赤には染まらないまま終わった
日中は日が照り、テント内も暑くなっていたが、日が沈むと急激に冷え込む。
今晩は満月
月明かりが強すぎて星が見えない
やることがなさすぎるテント場の夜は、ただひたすら寝袋に潜って寝る
7時に寝て、9時に起きる
もう一度寝て、11時に起きる
充分睡眠とったけど、意地でも寝る
そんな事を繰り返しながら朝4時まで寝ることができた。
夜明け前、放射冷却というのかめちゃくちゃ寒い
オニオンスープで昨晩のカレーの汚れを流し飲みし温まる。
ながいながい睡眠の中で
自問自答した。明日また山登んのめんどくせーな
早く帰ってラーメン食いてーな
いや、行かなきゃ始んねーだろ
で、行くならどの山だ?
どのルートが安全だ?
ホントにひとりで行けるのか?
まずは自分の目で見て来なくては次に繋がらない
AM6時
ピッケルとアイゼン、そして昨日借りたヘルメットを装着し
『主峰赤岳』を目指すことにした
東の空は太陽がでてるんだろうけど、2800mの壁が遮って色がない
たんたんと文三郎尾根を登る
昨日とは足どりの軽さが全く違う
心の持ちようじではなく、明らかに軽装と体力の回復がおおきい
夏山では足にくる急な階段が続く道だが、雪で埋まった階段は歩幅を自分で決められるから歩きやすい
しかし、両脇とも削れた尾根のため滑ったら滑ってっちゃうな〜
森林限界を越えると、北アルプスがキレイに見えた
右には昨日の無念の山、阿弥陀岳が陽を浴びはじめていた
分岐につくと右に中央アルプス、眼前に八ヶ岳南端編笠山、奥に南アルプス北部の主峰らと連なる
分岐より先
ここからが核心部だ。
この先は怖くてあまり写真撮れてなかとです。
トレースはあるものの、片足分しかない
こーいうのヤダな〜
怖がりじゃなければ、平均台を歩くように足を運べばいいんだけど、とっても怖いので
前回の山でA氏に習ったダガーポジション(カニ歩きver)で、
ピッケル刺す、右足一歩、ピッケル刺す、左足一歩、ピッケル刺す〜 を繰り返してクリア!後は岩場の斜面を登って行く。
結構風強い。怖い頂上まであとちょっとのところに男性がひとりいた。
「おはようございます!」と声をかけた
「天気いいですね」とかえってきた
地蔵尾根の具合はどーでしたかと尋ねると、とても怖くて降れる自信がなくてコチラの尾根に来たという。
マジかよ!そっちから降ろうと思ってたのに!
数秒うなだれ考えた末、
「ちょっと待っててください!ちょっと登頂してきますんで一緒に下山しましょうよ!」と誘った
ひとり怖い。
なにかあったら連絡できる。これ重要。
数分登って、山頂でパシャリ
世界の安寧と、コロナの終息祈願をしてサッサと下山。
しかし、下山時の急斜面はやはりヤバイ。
さっき簡単に登ったでしょ?というところも、こんなだっけ?って感じなのだ
そうかと思えば、登りで怖かった場所はすんなりクリアできたりと色々考えることがでてくる。
下りは時間かかるなと思っていたが、思っている以上に早くテント場まで下山できた。
話し相手がいるとやっぱ気が楽。
人はやっぱり弱いもんだ
ちょっとゆっくりして、テントを片付けて下山する。
明かに重い冬のテント泊装備。
帰りもガリガリツルツルのアイスバーン登山道。
最後の最後でアイゼン外してたら、苔に隠れた氷で思いっきりすっ転んで、左半身強打‼️
めちゃくちゃ痛ーし❗️
左手めっっちゃイテーし‼️
修行時代、師匠に「手は理容師として1番大切だから、転ぶ時は顔から行け!」と言われたのを思い出したが、それは無理だと確信した。
こんな岩場で顔面受け身は致命傷だ。
そこからはより慎重に下り、コースタイムどおりの時間がかかり車まで帰ってきた。
壁には名だたるクライマーのサインが飾ってあった
【 今回の登山の反省 】
3度目の雪山泊
1度目は昨年の鳳凰三山テント泊。どうなることかと不安でたまらない夜を過ごした。
2度目は3月の日光白根山、雪壁以上イグルー未満泊。これで精神は大きく成長した。
3度目は、この八ヶ岳行者小屋キャンプ地テント泊。登山者が多いキャンプ地だけに誰かが作ってくれた設営地を使わせてもらった。
2度の経験からどんな装備が必要で不要か、すこしづつわかってきた。
しかし、まだまだ、もしかしたらコレがあるといいかもしれない。を持っていってしまうため重量が嵩む。
これからも登山をやって行く中で、テント設営地よりあとの行動を可能にするには、体力の温存ができる状態にするため軽量化は必須だと思う。
そして、かなり多量の汗をかいてしまうため、かなりの水分を本当は欲しているのだと思う(飲みすぎちゃうと無くなっちゃうのでセーブしてる)
呼吸法はきっと大丈夫なはずだから、やはり人のペースに合わせて登れるほど自分自身の体力には余裕がないことが露呈した。
初日の阿弥陀岳を登れなかったことは悔しいが、後悔はしていない。
自分自身に不安を感じれば、それには逆らわないほうがイイと思っているから。
しかし、すこしづつ確実性を増やして自信を持って登れるようにする。
あの時の自分にこの言葉を捧げよう!
情けないほどついていけない
恥ずかしいけどついていきたい少しずつ山のフィールドを広げていって、昨年よりはじめた冬の登山
人生でやる事はないと思っていた、ピッケルを使うような山登りを始めてしまったが、きっとコレは確実性、安全性を知るうえで必要な技術と知識だと感じたためしっかりと学び身につけたいと思う。
まだ全く知識がないが、ロープワークも必ず人生で生きてくると思うので今年はそれも少しずつ覚えてみよう。
帰り道
高速まで下る道を間違えたら、桜と甲斐駒ヶ岳のコラボスポットがあったので車からパシャリ📷山に行けないのはツライ
けっこうツライ…
がんばってトレーニングするぞ!今回もこんなに長いブログを最後まで目をとおしていただき、ありがとうございました。
自粛で大変な時期に遊びのことなんかと思われるかもしれませんが、ブログにあった事を綴ることは、僕のライフワークなので関係なく存続したいと思います。