2024-9-10
- 利尻島の旅〜最北の富士を求めて〜【前編】
やりたいことはいっぱいある
行きたいとこもいっぱいある
ずっといつかはと思ってた場所
最北の最高峰 利尻岳
北海道の北西に浮かぶ利尻島にあり、海から天を突くようにそびえ、裾野を広げる山容は『利尻富士』とも呼ばれ、日本百名山のひとつでもある
数年前に北海道北部の旅している際その存在を知り、いつかは登ってみたいと思っていたのだが、如何せん行き慣れた北海道でも離島となるとハードルが上がる
いやはや、この旅はうまくいくのだろうか?
9月初旬、そんな利尻島での旅の日記をここに綴るSAITO MASAYOSHI さんの作品
https://westen.jp/photos/mt-risiri/2019年夏、千歳空港から日本海〜オホーツク海を旅をしている中で稚内に立ち寄った。そこの施設の一画で稚内の写真が展示されており、そのひとつにこの写真が飾られていたのだ。
稚内エリアに来れば利尻岳がキレイに見えることは知っていたが、生憎この日は大雨で姿の欠片もみえなかったのだが、こんな美しいシルエットの山があるのかとこの写真を見て衝撃を受けた。この山に、その島にいつかは行ってみたいな。そんなことを雨が降る稚内で思ったのを覚えている。そうはいってもやはり離島は大変だ。金もいるし、日数もかかる。稚内まで飛んでバスに乗りフェリーに乗るとなると移動だけで1日、往復で丸2日潰れてしまう。そんなことを考えるとめんどくさくなり後回しにしていたのだが、そんな話をお客さんにしていたら「利尻に空港ありますよ」と。調べてみると確かにあった。礼文の空港は閉鎖していたが、利尻は年中稼働していたのだ。JALは年間通して札幌の丘珠空港から、ANAは季節限定便で千歳空港から飛んでいた。しかもいつも貯めているエアマイルで往復チケットとれちゃう!奇跡だった。金も時間もかかると思っていた利尻島が無料で行けるなんて。やはりお客さんからもらう情報は本当にありがたい。
それに気づいてチケットを検索したのが3月。すでにマイルで取れる日程に6、7、8月はなく、最短で9月だった。日々の仕事に移転準備、休みフル活動を繰り返し、利尻島への旅が一週間後に迫ったとき
パッキングに彷徨っていた…
なにを持って行くか、なにを削れるか。迷いに迷いまくっていた。
これが離島登山、飛行機で行く登山に不安要素がありまくる要因なのだ。
いつもの登山なら家でウェアを着てパッキングして行くか、車に道具一式積んで現地で必要なものを組み立てるかだが、飛行機旅はそうはいかない。まして登山となると必要なものけずれないものもたくさんある。しかも今回はテント泊。宿代を節約するのもあるが、やはり自然を感じ自由に行動するにはテントが一番ありがたい。テント、寝袋、マットは削れない。雨が降るかもしれないから雨具も必須。エマージェンシーキットも必須、バッテリーも必須。
選択の余地は娯楽品だ。カメラ、クッカー、着替え、サンダル、サブザック。
カメラ…。利尻島に行ってカメラを持っていかないなんて……。キレイなボケ、クリアな模写、青い空、青い海、利尻ブルーを撮影したい!
でもやめます!あきらめます!!なぜならカメラセット一式でテントと寝袋と同じサイズのスペース、それ以上の重量があるから。そしてiPhoneがキレイに撮れるの知ってるから。
もちろん一眼の方がキレイにとれるところもあるけど、iPhoneのほうが簡単にキレイに撮れるところもある。むしろ多い。何にしても計量性。ポケットに入る究極のデバイスなのだ。
着替え。迷うけど、2泊3日。インナー速乾シャツなんて洗ったって30分で乾いちゃうから2日分でよし。問題は山のウェアだ。日中の下界の気温は25度、夜は15度。標高1800mは何度だ?風が吹いたら?インナーにウール素材を持っていくか、嵩張っても濡れても保温が下がらない素材にするか?
靴はどうする?トレランシューズににするか。晴れればいいが雨なら濡れるからやはり登山靴か?でも行動力が落ちるな。テント場ではサンダルが欲しいな。でも荷物だなぁ。
サブザックはどうする?ほとんどのものをテント場に置いて行くんだから空身になったザックはただデカいだけになっちゃう…。これは持っていこう!
クッカーは持っていこう!保温水筒を持って行くか迷ったけど、クッカーとサイズ変わらないから、いつでもお湯が沸かせる方が有利だと思ったからだ。
結局パッキングが完全に決まったのは当日の深夜1時過ぎ。10時過ぎのフライトにも関わらず、いつものようにソワソワして浅い眠りを繰り返して4時に起きた。
腹も減ってないが、何となく朝飯を食べた方がいいんじゃないかとコーンご飯とシャケの残りを食べてみる 2泊3日分の旅道具は45Lプラスαのバックパックに詰め込んでいざ出陣でござる
7時過ぎに出る予定だったが、デカいザックを背負った人が通勤電車にいるとうっとうしいと思い5時台の電車に乗った7時過ぎ。発着まで3時間。究極にやることがない… 腹が減ってるわけじゃないけど丸亀に行ってみた 腹が減ってるわけじゃないけど、ぶっかけうどんは美味しかった 腹が減ってるわけじゃないんだけど、あと2時間、余裕でフライトを待つ人を演出したくてスタバでほうじ茶ラテを飲む。おれは旅を満喫してるんだ。という気持ちを高揚させるためにもほうじ茶ラテを飲む。人は自尊心なしでは生きられないのだ 異常に長い紙っぺら。国内で乗り継ぎはめずらしい いつだって離陸はワクワクする うおぉぉぉぉ いつかロッテの試合を見に行くぜ!! 今日はほとんど雲の上 北海道に着く頃、雲は抜け日高地方の海岸と山脈が一望できた 空港の近くにまた何か作ってる。きっと倉庫だと思う 続いて利尻へのフライト
待ち時間は30分もなかったもっかいビューーーン 下に見えるは日本海側を走るオロロン街道だろう
あそこは台風のとき走ると強風で海水が車にかかり窓も車もベトベトになって前が見えなくなる。怖かった利尻島へ向かう空は完全雲の中 まさに暗雲!飛行機もガチ揺れ あれが利尻か! いや、あれは礼文島だろ 着りっく!!! めっちゃ濡れてる… でも降ってないーー めっちゃ運ある〜 着いたぜ!利尻島❗️
初上陸❣️意外と空港の『ようこそ』がうれしいのは旅人だからかな 信じられないくらい小さな荷物場。一周10秒もかからないかも ロビーにでると沢山のお出迎え
ほとんどの人はホテルや民宿、観光会社経由で予約してるから待ち時間なくバスがでるみたいわっちは路線バスで港まで 多分同じ飛行機できたであろうお兄さんにこのバスでいいのか聞いてみた
絶対山に登るだろうなと思ったので話をすると、同じキャンプ場に泊まる予定だという。なんの予約もしてないけど。って
この時はあと三日間。ほとんどおなじ時を過ごすとは思いもしなかったが停車していたバスは路線バスではなく、空港からフェリーターミナルに向かう特別バスだったが、空港内に人がいなくなったため定刻を前にして出発してくれた はじめての場所は新鮮だ 原野だ これだから北海道はやめられない
紛れもなくなにもない原野だ 15分ほどでフェリーターミナルに着いた これが今一番調子いいよ。ってお兄さんが言う。
なにが調子いいのか聞くと無言だった。もう一回聞いたがまた無言だった。そして笑ってたとりあえずお前と3日間のバディを組むぜ❗️
よろしくな!ミスターライトグリーン❗️❗️ここからキャンプ場までは約2キロみたい とりあえずターミナルチェック 外に出て振り返ると『ようこそ利尻島』
フェリーのお客さんがはじめに見るのはこの看板だよねはじめての場所は港を見るだけでワクワクする あの山はなんか夕陽がキレイだとかなんとか書いてあった気がする。 なんか忙しくって観光地とか一切予習してこなかった
ぬおぉぉぉぉぉ!行ってやるぜ❗️ガチコミかまそうぜライトグリーン🫛 さっそく直坂のお出ましだぜ! ぬぉぉぉーーーーー
こっちかな? やっぱりこっちだった テント場到着 なんて景観のいいゆったりしたキャンプ場なんだ
管理棟でお金を払ってと ちなみに1日500円です
三日間の我が家はここに建築しよう! 完成デス! コロナ禍に買ったテントだけど、一回使って以降ほとんど日帰り登山ばかりでずっとしまってあったんだけど、利尻島にお前とこれてよかったよ。Mr.ダークグリーン
自然を満喫してるっぽい自撮り 晩飯と明日の登山用の食事買い出しに行こ ぬおぉぉぉー 海まで一直線だぜーーーーー!
ホットシェフ❗️ YES❗️セイコーマート!! おぉ〜、すごい。道内と変わらない品揃えだ〜 ホットシェフ!手作り弁当!! 利尻限定グッズ!
ダサい。けど買ってみたい必死で坂を登ってキャンプ場へ つまみはセコマで買ったから生ビールいっちゃおう どんどん雲は流れて少し秋の気配を感じるような空になった 雨上がり
晴れた空と生ビール
そこに惣菜三種盛りプラスαでヤリイカとポテトのフリッター(岩塩とタルタル添え)
ありがたい…。ほんとにありがたいよ。
天気がいいだけでありがたいのに、最高のつまみに生ビール。しかもこんなローケーションで飲めるんだから飲みながら店主のお兄さんと少し話をした
このキッチンカーは繁忙期はいつもここで2時から19時までやってるそう。明日登る利尻岳の話しや、利尻島での暮らしのこと。ハイシーズンの連休の時なんかは、このキャンプ場も歩く隙間もないくらいテントとガイラインで張り巡らせてるんだって
最近は少し暑さも落ち着いてきたけど、8月は意外と湿度が高いのが島の特徴だってこととかそんな話を聞くと、あぁ9月に来てよかったなぁ。なんてうれしくなる
お子さんはまだ小学生の低学年で、店主のお兄さんは青森からの移住なんだって
小学校のクラスは学年で30人くらいいて、全校で100人以上いるらしい。島内には他にも小学校があるから、人口5000にも満たないこの島には意外と子供が多いことにびっくりした
結構補助金もしっかりしてるみたい
暮らしやすいかと聞くと、助け合いだって。冬はほんとに寒いから家族で実家に帰ることもあるとか
お金がかからないかといえば、いろんなところで本土よりかかることの方が多いみたいただ、使うとこがないからやっていけるって言ってた
旅館に泊まるわけでもなく居酒屋に行ってるわけでもないけど、島の人と話ができてよかった。立派なトイレ しっかりあったか便座にウォッシュレット テントん中でゆっくりしてたら暗くなってた
このままでもいいかなとおもったけど、せっかくだからお風呂入りたいなと思い歩いて向かう島で一番大きな温泉施設
キャンプ場から徒歩目の前にある好立地なのだ券売機でもPayPayでも
大人ひとり500円。貸しバスタオル200円。ハンドタオル200円お風呂はとてもキレイですごく温まる
天気が良くて、酒が飲めて、風呂もはいれる
とんでもない贅沢な1日を過ごしてしまった浴場からでるとポスターが貼ってある
『自転車で出かけたら この島はもっと楽しい』
そうなのか。気になるな…一周60kmか
遠いような近いような…ひと眠りして目覚めると午前2時 もう少し寝てたかったけど目が覚めちゃったから今日の準備をすることにした キャンプ場は街灯が煌々とついているが、それを上回るほど沢山の星が輝いていた
どこにでもあるはずのものだけど、見えないところもたくさんある
何かを得て何かが見えなくなること。星だけじゃないな。なんだかそんなことを思った歯を磨こうと炊事場に行くと猫がいた
こちらにびっくりすることも警戒することもなく、ただ自分の時間を過ごしてただいぶ早いけど朝ごはんの準備をする 昨日買ったスパゲティと持参した味噌汁。
別に腹も減ってないんだけど、今日も1日長いからカロリーを多めに入れとかないと今日1日の道具と行動食を持っていざ利尻岳へ❗️
陽が昇らない真っ暗の道を駆け上がる
登山本番
時刻午前4時過ぎ
長い長い一日のはじまりである
そのうち↓
to be continued!
利尻島の旅〜最北の富士を求めて〜【中編】