Clover Beauty Blog
職人
どの業界にも、その業を生業とした熟練の技術者がいる。
これは、そんなひとりの職人にフォーカスをあてた話である。
私の車は2000年に生産されたので、かれこれ21年モノのためキレイに乗ってはいるが随所のパーツ類は劣化が進んでいる。
以前から気になり、カーショップで研磨剤などを買って磨いてきたがすぐに汚くなり、手をあぐねていた。
これが汚いかどうかで、車の古さが際立ってしまう。
そう、ヘッドライトだ。
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新品のヘッドライトと交換しようかとも考えていたが、噂でさいたま市にヘッドライトを磨く伝説の職人がいることを耳にしたのだ。
木幡の知人のためアポをとってもらい、休日クローバーまで出張に来てもらうことになった。
当日は雪予報だったため、大丈夫か確認すると「傘さしてやるよ」と早くも職人の気概を出してきたのだ。
これは頼もしいと思ったが、濡れると嫌なので縁石を乗り越えて店の屋根下にヘッドライトを向けて待機していた。
堅物な職人が出てくるかとおもったが、助手席に女性を乗せてきた。
これはかなりヤリ手のようだ。どんな時も女を連れてくるとは、ジローラモみたいじゃないか。
早速準備に取り掛かる。
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職人のアシスタントを木幡は楽しそうにやっている。随分と仲がいいようだ。
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それもそのはず。
この職人こそ…
木幡のお父上なのだ!
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そして助手席の女性は、母上様なのだ。!!
さらに言うと、木幡は奥さんまで連れてきたのだ!!!
ヘッドライトを磨いてほしいとオヤジを呼んだつもりが、一族を集めるという団結感を見せつけてきたのである。
ここはふじみ野のクローバーのはずだが、もはや木幡家になってしまったのだ…
4対1の完全アウエー状態❗️
私はこの不条理な状態に物怖じせず、勢いと太鼓持ちでいい仕事がしてもらえるようもてなした。
しかし、そんな太鼓持ちなんてものが無意味なことにすぐに気付かされたのだ。
私も職人である。目を見ればわかる。この人が本物かどうかは
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電動やすりをかけるこの眼差しに一点の曇りもないのだ
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片側に結構時間がかかりそうだったので、左側をやろうと思ったが、あまりにヤスリの汚れが飛び散ってきたので、汚れたくない一心で木幡にやらせることにした…
表向きはそう言ったが、私の車を通じて親子の絆を深めてもらいたい…
親の背中を見て成長してほしい!
そんな思いから、申し訳ない思いを押し殺し、断腸の思いで木幡にやらせたのだ。
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親子の競演とは、なんと美しいものか…
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時折見せる父の目線
「がんばれ。ジュン…」
言葉にはしないが目を見ればわかりますよ。父さん!
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段々と木幡の眼も『本物』の眼に変わってきた
きっと汚れが目に飛んできたんだろうと思った。
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ひととおり磨いた後、息子の仕事を父が見る
「ジュン!カドが甘いぞ。細かいところこそ人が出る。細かいところこそ心が出るんだ」
言葉にはしていないが、間違いなく父上はこう仰ったに違いない。
その姿を見て木幡は泣いた、涙こそ見せてはいないが、心では泣いていた。
1時間程磨いた後、最終仕上げに入る
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番目の細かいヤスリに変えて、すりガラス状態までもっていったら仕上げのコーティングなのだ。
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特殊な溶剤を蒸気にして吹きかけていく。
1cm四方しかかけられないため、様々な角度からチェックして満遍なく当てるのだ
そして
完成が!
こちら!
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これが!!
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これです!!
かなりキレイになったと思いませんか。
新品のような透明感は出なくとも、黄ばみが取れてそこだけ古い感は払拭されました。
ありがとうございます!
最後までただ見ていただけに見えたかもしれませんが、
そうです。
見ていただけです(笑)
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ただ後ろから見て笑ってるだけ…
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女性たちは店内でゆっくりです。
最後に!
父さんありがとう!
みなさん!ヘッドライトの黄ばみにお困りの方、クローバー木幡まで一報いただければ駆けつけます!
ではでは。
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親子の愛を感じる、素晴らしい時間だった…
2021-12-16