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Clover Beauty Blog

冤罪

【冤罪】えんざい

罪がないのに、疑われたり罰を受けたりすること。無実の罪。ぬれぎぬ。「━をこうむる」

その日はえらく蒸し暑い日であった。サロン内は空調を効かしているため心地いい温度に調整してあるが、ひとたびバックルームに入ると気温の高さに加え、乾燥機の熱、湿度で苦しくむせ返るほど熱せられているのだ。


いつものように仕事の合間に水を飲む為、バックルームにある冷蔵庫を開けようとした時、なにか鼻を刺すようなニオイがしたのだ。


これはクサイ。おそろしく鼻が効くわたしは鼻をフガフガ言わせながらあたりを嗅いだ。冷蔵庫近辺の上段、中段、下段と。


冷蔵庫の隣にはスタッフのロッカーがある。同じように外側からではあるが上から下まで嗅いだ。


ここだ!

上段は尾崎のロッカー。下段は木幡のロッカーである。

思い立ったら吉日である。善は急げと鼻息荒く受付にいる木幡にむかう。



「こわちのロッカー。アンモニア臭するよ」


コレはとんでもない事件である。まさか従業員のロッカーからアンモニア臭がするなんて。

真相を確かめるべくロッカーを開けてもらい、上から下まで警察犬ばりに臭気を嗅いだ。

「あれ?ここじゃない。」


私としたことが、裏どりもせずに突っ走ってしまい木幡のことをアンモニアだと決めつけてしまった。
しかしコレには理由があるのだ。以前、木幡の祖父が亡くなって数日後、家族で居間にいるとアンモニア臭が漂ってきて「おじいちゃん帰って来たのね」みたいなことがあったと話していたのだ。
コレはお盆も近いし、孫のロッカーに入ってびっくりさせてやろう!的なサプライズに違いないと。


ごめん、こわち。

気を取り直して再捜査である。

結果的にロッカー内はシロであったが、近辺であることは間違いない。

冷蔵庫周りを徹底的に嗅ぐ。

「ここだー!」

わたしは再び刑事の目になった。2度の間違いは許されない。スタッフルームを包み込む空気は依然とした蒸すような暑さだが、緊張の汗で背中が冷やりとする。

冷蔵庫の脇から流れてくる臭気。上段でも下段でもなく、中段付近からのみ臭う。

現場を抑えるため冷蔵庫を動かすと、そこには茶色の液体が幅15cm近く広がっていたのだ。そして臭気は確実に増し、これが全ての根源だということは明白だった。

雑巾で汚れを拭き、キレイになったので元通りにしたが、まだ臭う。

仕方なく冷蔵庫の裏面をくまなく嗅ぐと、1箇所強烈な臭気を放つ部分があった。

なここは分解しないと掃除できない場所だが、ドライバーでネジを外してみると、茶色液体が溜まっていて、それを冷蔵庫の熱で温めている場所であった。


早速その受け皿を洗うと、臭いなんて何のことやらと言った具合で、サラリと解決したのである。



しかし、この冷蔵庫に溜まる茶色の水問題は解決しなくてはなるまい。


冷蔵庫を開け、繋がりそうな場所に手を当てると水っ気を感じた。手をみると茶色い液体が付いている。


隣には半開きの醤油が少しずつ垂れていたのだ。


それがドレーンをつたって下に落ち、熱せられて発酵臭となってアンモニアが発生したのだろう。



「誰の醤油だ!」




それは木幡の使っている醤油だった…




結局オメーじゃねーかよ‼️



今回の難事件。一度は濡れ衣を着せることになったが、真実を突き止めるという正義感に満ち溢れた情熱と、スタッフ同士の信頼があるが故無事解決できたのだ。



人間だもの、間違いはある。


その間違いを認め、正しい答えを導き出すことが人生において、人の生き方として重要なことなのだ。



人は嘘をつく。人は隠す。


それは他人を、その人を苦しめる。


正直者でいるのも大変だけど、最後はそれが一番楽な気がする。


罪も正義も、答えはその人にあるのだ。






アンモニアからはじまったブログをキレイにまとめるために今日も強引に持っていってしまった。




このアンモニア騒動。木幡には評判落ちるからやめてくれと言われたが、『ロッカーからアンモニア臭がする』という言葉だけで面白すぎるので、書きたくてしょうがなかった。


ありがとう木幡…




そして、またビューティーでも何でもないトップブログを書くなと怒られそうだ。笑

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