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クローバーの仕事術

Clover Beauty Blog

クローバーの仕事術

毎年クローバーでは、今年はどのような一年にしていくか?

各々の課題ではなく、サロンとして全員で同じ課題に取り組む指針を出している。

ここ数年は常々、『効率化』という大きな課題のもと、できることをひとつづつクリアしてきた。

しかし、昨年はどうにも頭が冴えず、年が明けても「何を課題にしていいか定まらないんだよね〜」と朝礼で伝えたところ、店長が「たまには何もない年があってもいいんじゃない?」と。そんな会話があったのを覚えている。

すると数ヶ月経った時には、誰もが予想もしな世界の変貌に、突如として様々な課題をぶつけられることになってしまうのだが…

昨年の『何もしない』という選択肢は、ある意味『何もしないから、その時々の課題に向き合えばいい』という余裕が生まれ、色々と大変な年ではあったが、目標の未達成という結果を生まずに気持ちのいい年越しができた。

そして、今年の課題も『効率化』という大きな指針は変わらない。

ここ数年で、Webサイトの活用をお客様にお願いし、飛躍的な効率を図ることができた。

このITやタブレットを使っての管理により、サロン内でお客様にあたる時間に余裕が生まれた。

その余裕が生まれたサロン内の『人の動ける時間』の有効活用

ここに『効率化』のターゲットを絞ろうと決めた。

まずは『人を知る』ということ

『人を知る』というのは、他人を理解する。

『彼を知り己を知れば百戦殆からず』

有名な孫子の兵法のひとつである。

どう考えて仕事と向き合っているのか?相手が何故そのような行動をとるのか?その行動を許せるのか?

我々は表向きは、お客様と技術者 1対1 の対応のように思われるが、サロンワークにおいて様々なところで協力し合わないとお店は回らないのである。

何人もいるような会社、ヘアサロンはもちろんのこと、3人しかいないクローバーにおいても人がスムーズに動くためには、協力し合うということは必要不可欠なことなのだ。

我々にはターゲットとなるお客様の層がある。

それはまさに、今現在いらしてくださっている方々だ。

その求めているお客様に対して、自分たちは、いや自分はどのような技術者、人間であるか、そしてどうなりたいか。これを自己分析し、各々が皆の前で発表した。(この自己分析シートについては追ってブログに載せたいと思う)

同じ技術指導を受け、技術者として20数年。大きく見れば同じ方向を向いている仕上がりも、やはり本当の細かなところはそれぞれが違う。

それは性格や考え方が違うように、細かな表現はその人考え、こだわりどころが違うからだ。

その『こだわり』は技術だけではなく、サロン内における様々な行動に現れる。

掃除の仕方、道具の使い方、

そして『タオルの洗い方』である。

長年、様々な工夫をしてきたタオルの洗い方。

「なんだタオルの洗い方くらいで」と思うなかれ。我々にとって『タオル』というのはサロン運営の生命線であり、タオルから伝わる心地よさは理容室にとって切り離す事ができない存在なのだ。

皆さんは、通常のクローバーコースで1人のお客様に使用するタオルが何枚かお分かりだろうか?

数にして 12枚。乾いたタオル4枚に、温かいスチームタオルが8枚。この12枚が1時間のサイクルの中で3人分、合計36枚溜まる事になる。

コレを作業中の合間にサッと洗濯機を回し、たたみ、丸め、補充するという流れであるが、言葉で表すほど簡単なものではない。

全自動洗濯機なので、自動では洗ってくれるが30分はまわっているわけだ。

乾燥機も乾くまで自動で回ってくれるが、電気なので2時間近く回っている。

温めるスチームタオルに関しては、水分を程よく残さなくてはならないため、脱水開始から数秒を察知して洗濯機を停止させなくてはならない。

洗濯番がいれば、全てを任せて仕事に集中すればいいが、それぞれが仕事をしている、お客様の接客をしている。そんな合間をぬって作業をするわけである。

ここで出てくるのが、自己分析でわかる『各々のこだわり』である

皆が共通してやる『洗濯』という行為。

結果から伝えると、今までは皆が同じように接客しているのだから『協力し合う』というスタンスでやっていた。が、考え方を180度変え、1人に全て任せるという、まさに洗濯番を決める事にしたのだ。

ひとりに全てを任せたら、ものすごく負担になってしまうと思うかも知れないが、洗濯番をする人間は、他のスタッフのサイクルよりも1日に2回、30分の空き時間ができるようにスケジュールを組む。

そのタオルタイムを上手く活用しながら、一日のタオルの回転を全て頭で組み立て、最終の営業終了時には選択カゴの未洗濯タオルを無くし、翌朝のスタートがスムーズに運べるように調整するという事。

この案は年始早々に決め、早速実践にうつす。

丁度よく、この三連休に皆に一回づつ洗濯番が回ってきたのだ。

結果は二重丸◎!いや❗️はなまる💮レベルの好結果を導き出す事ができた。

何が好結果なのか?何が二重丸◎なのか?

今まで疑いもせず、『助け合う』というチームワークを組んで取り組んできたつもりでいたが、その『助け合う』は上っ面のもので、

『タオルを回す』という目的が一緒なだけで、どのタイミングで回すか?という思いがそれぞれバラバラであるため、管理が仕切れていなかったのである。

そして思いがバラバラ事まではいいが、最終的にタオルがきれいに回転するか?は全員の責任になる為、

「なんでこのタイミングで回すんだよ!」

「なんで脱水止めないんだよ!」

「空き時間にタオルが仕上がってないじゃんか!」

と言った洗濯の結果を、他人の責任にするという心の卑しい部分がぶつかり合う。(言葉には出さないが)

しかし各々の『こだわり』を尊重する『洗濯番』をしてみて、これらは全て解消することがわかった。

みんな違う洗濯のタイミング。なんでこのタイミングでいれんだよ?と思っても、回ればいいという答えさえ守っていれば、文句を言われる筋合いも無ければ、言う権利もない。

みんな其々のこだわりを持って『洗濯番』として店を回しているのだ。

精神状態的にも、洗濯番をした日は計画的に回した気持ちよさ、自分のスキルに対しての優越感が得られ、洗濯番ではない時は、タオルの事、他人の行動を気にするという注意力の分散が一切無く、自分の仕事に集中できる為、忙しい日でも穏やかに仕事ができたのである。

ずいぶんと長くなったが、『効率化』というものを援護するのに、ITや道具を変えるというのは大きなスピードアップを図れるかもしれない。

しかし『効率化』を求める人間の感情や行動が、足をひっぱてやしないか?

どんなに仲が良くても、他人は自分ではない。

求めるなら、合わす事もしなければならない。

何がベストかは、その人たちにしかわからないけど

『店をよくしたい』

その答えだけは同じでなくてはならないと思う。

小さな町の、小さな理容室が考える構造改革の話でした。

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